
スケールとコードというのは、とても密接な関係にあります。
では、Cメジャースケールを例にしてお話します。
Cメジャースケール(C アイオニアン)


コードの授業では、コードをルートから様々な音程を積み重ねて作りましたが、コードというのは、実は、スケールの中から音を抜き出して積み重ねたものでもあるのです。

は?どういうことだ?

上のCメジャースケール(アイオニアン)のルート・3度・5度・7度を抜き出して、コードにしてみましょう。


あら?C△7のコードになったわ!

D ドリアン



お、、、これは、たしか、Dm7だな。

このように全部のスケールでやってみると次のようなコードが出来上がります。


あらら!!
これって昨日勉強したスケールトーンセブンスコードだわ!

スケールトーンセブンスコード(ダイアトニックコードも同様)は、実は、7つのスケールから出来たものなんだよ。
I△7はI アイオニアンから生まれたもの、IIm7はII ドリアンから生まれたもの・・・・・というわけなんだ。
別の言い方をすれば、I△7の中には、I アイオニアンが隠れている、IIm7の中には、II ドリアンが隠れている、、、、ということだよ。

なんかややこしいですね(汗)
どうしてこんなややこしいことをしているかというと、
今、1、3、5、7度を抜き出してコードを作りましたが、残りの2、4、6度がテンションになるからなんです。
テンションを探そう

テンションとは、セブンスコードにさらに3度ずつ積み重ねたものでした。
7度から上なので、9th、11th、13thとなりましたね。
C△7で説明すると、この9th、11th、13thは、それぞれ、レ(D)・ファ(F)・ラ(A)ですね。

あ、、C△7はCアイオニアンと関係があるから、
CアイオニアンのM2と9thは同じ音(D)になるのね。


スケールの1、3、5、7がセブンスコードになって、残りの2、4、6が、テンションになるというのは、そういう意味なんだ。


これは何を意味しているかと言いますと、テンションにはナチュラルテンション・オルタードテンション含めて、7種類しかありませんでしたが、
C△7(Cアイオニアン)というコードには、テンションは9th、11th、13thのナチュラルテンションしか付かないということなんです。
同じようにDm7(Dドリアン)でも見てみましょう。

これをテンション表記に変えてみると、
Dm7(Dドリアン)のテンション


じゃあ、Em7(Eフリジアン)だとどうだろう。
Em7(Eフリジアン)のテンション


ほう。11thはナチュラルテンションだが、9と13が短2度・短6度だから、♭9、♭13のオルタードテンションになっているぞい。

その通りです。Dm7もEm7も、コードとしては同じマイナーセブンですが、隠れているスケールが違うために、使えるテンションが違っているというわけなのです。
さらに、F△7(Fリディアン)でも確認してみましょう。
F△7(Fリディアン)のテンション


ああ、今度は、C△7とF△7は同じメジャーセブンなのに、元のスケールがアイオニアンとリディアンで違うから、使えるテンションが、FM7では#11thになっているわ。

ここでちょっと問題です。
曲の中に、C△7というコードが出てきました。
このC△7に隠れているスケールはなんでしょう?

はあ?簡単ジャン。C△7だから、Cアイオニアンだろ?

C△7がCアイオニアンということは、Cメジャースケールの中の音階を使った場合だったよね。
アイオニアンは、メジャースケールを1番目から並べたスケールだからね。

お、おう・・・。

ここで、昨日勉強したスケールトーンセブンスコードを思い出してみよう。
Cメジャーキーのスケールトーンセブンスコード


では、これを度数表示に直してみよう。覚えているかい?
スケールトーンセブンスコード(度数表示)
I△7
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IIm7
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IIIm7
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IV△7
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V7
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VIm7
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VIIm7(♭5)
|

メジャーセブンというコードは、1番目(I) と 4番目(IV) に出てくるんだったわ!
つまり、C△7というコードは、Key=C(Cメジャースケール)の中では、1番目(I)に出てくるけど、他のキーでは4番目(IV)に出てくる可能性があるわね。

実際の曲の中で、C△7が出てきたからといって、その曲がCメジャーキーじゃなかったら、そのC△7はI△7ではないってことなんだ。C△7が4番目に出てくるキーってなんだろう?

えっと、、、Cが4番目ってことは1番目は、、、、、、、、、、

Gだ!
Key= G


C△7が4番目に出てくるキーはGメジャーキー(ト長調)だね。
4番目に出てくるスケールは・・・

リディアンね!ということは、C△7が曲の中で出てきたら、隠れているスケールの可能性は、
CアイオニアンかCリディアンということね!

正解です。
隠れているスケールが違うということは、使えるテンションが違うということです。
もし、Key=C でC△7がでてきたら、そのとき使えるテンションは、9th、11th、13th、つまり、レ(D)、ファ(F)、ラ(A)です。
ところが、もしKey=Gの中でC△7が出てきたら、9th、#11th、13th、つまりレ(D)、ファ#(F#)、ラ(A)になるわけです。

考えてみたら、Key=Gってことは、ファは#なんだから(ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#)、当然といえば当然ね。

では最後に、残りのテンションも確認しておきましょう。
G7(Gミクソリディアン)のテンション

Am7(Aエオリアン)のテンション

Bm7(b5)(Bロクリアン)のテンション


コードとスケールの関係、そしてテンションの仕組みは理解できましたか?
それでは、休み時間にしましょう。
4時間目は準備中です。
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