一時間目の「音ってなんだろう」についてはご理解いただけましたでしょうか?
今度は、単音ではなく、2つ以上の音が重なってくる場合についてご説明します。
違う高さの音が2つ以上あるとき、そこには必ず音程というものが生まれてくるんだ。
単位は「度」を使うよ。
ちなみに、音が2つ以上あるとき、時間差があるか、同時であるかで、音楽的な意味が変わってきます。
下の譜面をみてもらえるかな。
Aのように時間差がある場合、メロディ(旋律)になり、Bのように同時になる、時間差がない場合は、ハーモニー(和音)になるんだ。でもどっちも音程という意味では一緒だよ。
メロディーもハーモニーも音楽の基本となる部分だから、音程についてしっかり勉強しておこうね!
では度数についてご説明いたしましょう。
下の譜例をみてください。(ここではわかりやすく、ドから数えています)
まず、一切の臨時記号をはずした状態で考えましょう。
Aのように、2つの音が同じ音でも「1度」という音程があります。
「0度」というのはありません。
Bは「ド・レ」で2度、Fは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・」で6度、という風に数えていけばいいのです。
A~Hつまり、1度から8度以内(オクターブ)の音程を「単音程」というんだ。
音程は9度以降も存在するよ。9度以降を「複音程」という風に呼ぶんだ。
9度以降になると、間が広がってくるので、「1オクターブと○度」という風に、1オクターブを基準にしてしまう場合が多いね。もちろん1オクターブのみならず、2オクターブでも3オクターブでも、当然音程は存在するんだ。
度数の数え方は理解できましたでしょうか?
しかし、ここで終わってはいけません。音程にも種類があり、それぞれ響きも変わってきます。
どのような種類があって、どのように分類されるか、ここで紹介します。
音の分類
次の表を見てください。
C・・・・一番調和する・安定している
D・・・・Cの次に調和するが、少し不安定
B・・・・調和せず、不安定
調和するとかしないとか、具体的にどういうことなの?
うーん・・・一番わかりやすい言葉で表現すると、2音を一緒に弾いたとき、きれいに聞こえるか、少しにごった感じで聞こえるか、の違いかな。
でもよぉ、人によってきれいかそうでないか、聞こえ方違うんじゃねぇの?
ごもっとも!つまりここでの「きれい」というのは、人がそれぞれ感じる気持ちの「きれい」というより、物理的なものなんだ。
Cの完全音程の(1.4.5.8)度は、周波数の比率が単純なんだ。
周波数の比率が単純なほどニゴリの少ない響きになるんだよ。
しゅ、周波数の、比率??????
それはどういう意味ですの??????
うん。周波数の比率といってもピンとこないかな。
例えば、ドとソの関係で説明すると、ソの周波数はドの1.5倍なんだ。
つまり、完全5度は2:3の周波数比を持っているんだ。
Bの不協和音程は比率が複雑になっていて、振動数が単純であればあるほど、お互いの音がよく響いて調和しているということなんだね。
後に出てくるけど、例えば増4度という音程は、32:45という複雑な周波数比率だから、とても濁った感じに聞こえるんだよ。
一見、Bの音程は「調和しない・不安定」ということで、印象を悪く持ってしまう人もいるかもしれませんが、決して「使ってはいけない」というわけではなく、むしろ使い方によってはより効果的な響きが生まれることもあります。
実際に音を鳴らしてみて、耳で聞いていろいろ試してみましょう。
さて、どのように分類されるかを理解したら、次はさらに詳しく音程の幅を表すためにはどうしたらよいかを考えてみましょう。下の図を見てください。
完全のところには完全協和音程の1.4.5.8度のみ
長・短のところには完全協和音程以外のもの全て(2.3.6.7度)
「完全」のところには、本当に完全に調和する音程のみしか当てはまらないのね。
完全とか長・短・・だとかこりゃ一体何なんだよ。
なんか長所・短所・完全人間って感じで人間を判定されてるみてぇでやだな・・
そ、そんなことないよ!この「完全」とか「長・短」というのは先ほど言ったように具体的に音程を示すための言葉なんだ。
ただ「2度」「5度」といってもその中にもいろいろ種類があるんだよ。
というのも、2音のうち、どちらかに臨時記号がついている、あるいは両方に臨時記号がついている場合もあるので、度数の前に「完全」「長・短」「増」「減」などの言葉をつけるんだ。「完全○度」「長○度」「短○度」この丸の中に数字を入れていくんだよ。
次のステップを踏む前に、これを頭に入れておいて!!
「完全2度」とか「長4度」「短8度」っていうのはあり得ないんだ!
2.3.6.7度は不安定な音程なので、「完全」というのはつかないの。
逆に1.4.5.8度の安定した音程には「長・短」とつかないから気をつけてね!
長と増は「幅の広い仲間」、減と短は「幅の狭い仲間」 ということを覚えておこう。
ちょっとまて!! 幅がとにかく広かったら、「長」「増」どっちでもつけていいのか?狭かったら「減」「短」どっちでもいいのか?
さっきの表で、「完全」と「増」「減」がどうしてくっついているの?ちょっとこんがらがってきたわ・・。
ちょっと整理してみましょう。
なれないうちはパッと浮かばないと思うので、その音程間にいくつの半音が含まれているか、鍵盤をみながらでも確認するとよいかもしれません。 半音の数を覚えるとGOODでしょう。というのも、1つ1つ音程には半音が入る数が決まっているからです。
下の譜例を見てください。ドから数えた音程(1度から8度)です。どのような雰囲気かをつかんでみましょう。そしてぜひ一度鍵盤を鳴らしてみてでも、響きを確認してみることをお勧めします。
この譜例は、左側から右側にすすむにつれて広い音程になっています。
あと、フラットが2つくっついている記号があるでしょう?(減6度・減7度など)これは「ダブルフラット」といって、全音下げてしまう記号です。←こういうマークです。
ダブルシャープ←こういうマークもあります。ダブルフラットと逆で、全音あげるという意味です。覚えておこう!
これをみてください。
♭のついたドは左の何もついていないドよりも下になってしまうので、音程として存在しないことになります。
必ず基準となる音より上にないと成り立ちません。よって、減一度というのは存在しません。3時間目も引き続き音程の解説です。
ちょっとずつ難しくなってきているけど、がんばってついてきてくださいね。では、またあとで・・・。
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