さて、音程の次は調についてです。ここで本格的にふれていきます!
具体的に調とは何でしょうか?助手君よろしくお願いします!
了解!調のことを「キー」とも言うよ。ポップスの世界でよく「キーは何?」という会話が繰り広げられているのは、 「調はなに?」と聞いているんだよ。
カラオケとかで「キー変更」ってのがあるが、その「キー」という同じか?
そうそう!
音にはそれぞれグループがあるんだ。どんなグループになっているのかな?
この説明をかねて、あるキャンプ場を覗いてみよう。
見つかると怒られそうなので、影から中継することにしよう。
音符たちみんなで「音符学院強化合宿」というキャンプに来ています。
おやおや、みんなそれぞれグループに分かれています。
なんだかちょっと怖そうな先生がいますね。
それぞれのグループに分かれて、テントの中にはいれ~!
どうやらこの1つ1つのテントの中には、それぞれ7つの音符が入っているみたいだね。
さて、それぞれどんな仕事をしているのかな? こっそりお話を聞いてみよう。
このグループはどういう決まりで分けられているんだい?
グループは、「気の合う者どうし」で分けられているんだ。
気の合う者ってどういう意味だい?
人間と同じように音にも気が合う、合わないがあるんだ。
気の合う者どうしで音楽を作ると、
とても落ち着くというか、ほっとする雰囲気になるんだよ。
このグループが「調(キー)」というわけだね。
そうさ。
特にこの「明るい系」はメジャーキー(長調)という調の集まりなんだ。
つまり、例えば、Gメジャーというキーの曲は、
Gのテントの中の音を使ってできている
ということかい?
その通りさ。
それから、僕ら一人一人は別のテントを掛け持ちしてるんだ。
よく見てもらえれば分かると思うけど、僕(ド)は「C、G、F、Bb、Eb、Ab、Db」のキーにいるだろう?
僕はこれらのキーの連中と相性が合うんだ。
なるほど~。
曲は同じテントの音しか使っちゃいけないのかい?
そんなことないよ。
同じテントの音を使えば、安心感のある音楽になるってこと。
もしちょっと違和感を出したければ、他のテントから呼んできてもいいんだよ。
いわゆる「転調」というやつだね。
でもあんまり気の合わない奴を入れすぎると、すごくギスギスした雰囲気になるから注意が必要だよね。ほどほどに、が大事だね。
ところで、♯系と♭系の最後の、「F#」と「Gb」って同じ音なんじゃないの?
そうさ!あのテントは実は同じ奴が入ってるんだ。
「異名同音」の意味はわかるか?
うんうん。みんなは覚えているかな?忘れてしまったら、月曜日の1時間目を見直してみよう。
♯や♭のつけ方で、音の読み方は違うけど、同じ音になることを「 異名同音 (いめいどうおん)」というんだったよね。
「F#」と「Gb」のテントをもう一度よく見てごらん。
中にいる音を1つ1つをじっくり見てみると、名前は違うけどみんな同じ音なんだよ。作曲者の気分でどっちのキーを使ってもいいんだよ。
ただ楽器によって、「♯系」が得意な楽器と「♭系」が得意な楽器があるから、演奏させる楽器に合わせてキーを決めるといいよ。
うんうん。ギターなんかは♯系が得意だし、管楽器は♭系が得意だよね。
この「明る系キャンプチーム」というのは一体なんのこと?
もうひとつ「切ない系キャンプチーム」ってのもあるのさ。「明るい系キャンプチーム」というのは表向きの名前で、本当は「メジャーキー(長調)」という名前なんだ。切ない系は「マイナーキー(短調)」という名前なんだ。
おっともうそろそろ行かねば。じゃあまたな。
なるほど、次は「切な系キャンプチーム」を覗いてみよう。
ありがとう。がんばってね!
今度は切ない系の訓練だ~!
さっきと同じ様にグループ別に分かれろー。
この「切ない系キャンプチーム」も1つの小屋に7つ音符が入っているみたいだ。
だけど、明る系キャンプチームとどんな違いがあるんだろう?
また、誰かに聞いてみよう。
ちょっと、キミ!明る系と切な系はどういう風に違うの?
ん?僕を呼んだかな?
「明るい系」(メジャーキー)とは、その字のごとく「明るい感じ」の曲を作るときに使うんだ。
逆に「切ない系」(マイナーキー)は「切ない感じ・時には悲しい感じ」の曲を作るときに使うんだ。曲を作るときに自分で「どういう曲にするか」によって使い分けるんだよ。
よくみると、例えば「♯=2」の旗が立っている「D major」「B minor」、小屋の中の音は一緒だけど、なにか関係はあるのかい?
よく見てごらん。「D Major」「B minor」って♯♭の数が同じだろう?
「明るい系」と「切ない系」、種類は違うけど、♯♭の数が同じテント同士は、実に仲がいい。
親戚同士みたいなんだ。
なるほど。そうなんだ。
キー同志それぞれに関係があるんだね。
その具体的な関係は「天使さんの一言」で紹介するよ。どうもありがとう~
またな~。
調の大まかなイメージはついたでしょうか?
では実際に音楽に置き換えてみるとどうなるのでしょうか?今から説明しますね。
下の譜例をみてください。
このように、ト音記号・ヘ音記号のとなりに♯・♭をかいて調を表します。月曜日にやったことも一緒に思い出してください。
Aのように「♯が3つ」ついていたら、「明るい系」(メジャーキー)のA Major、「切ない系」(マイナーキー)のF♯ minorということになります。
このように書くと「ファ・ド・ソ」の音に♯をつけなさい、ってことなんですね。
Bだったら「B♭ Major」「G minor」ということです。
これら調号をみるときは、「どの音に記号がついているか」というところに注目しましょう。
この調号をつけるときの順番、覚えてるかい?
ファドソレミラシ!だろ!!
うーんおしいっ!シャープのつけ方は、
ファドソレラミシ!!の順番ですよ。
じゃフラットのほう覚えていますか?
・・・・・・・・。
シミラレソド この順番です。
きちんと覚えておきましょうね。
次回は「音階(スケール)」です。
がんばっていきましょうね。
天使の一言 調について大体のイメージをもっていただいたと思いますが、 少し具体的に「調同士の関係」とはどんなものなのでしょうか? 訓練中の音符さんたちが言ってた「親戚同士のような関係」とは、どの調とどの調なんでしょうか? それぞれの関係に名称もありますので、知識として読んでいただけるとありがたいです。 親戚関係なのは・・・・ まず、同じ数の記号の旗を持っている小屋同士のです。 たとえば「F Major」と「D minor」、この2つは「♭1つ」という共通の旗を持っていましたね。音符さんに聞いたところ、この関係のことを「平行調」というんだそうです。 そして、アルファベット文字が同じ小屋同士です。 たとえば「C Major」と「C minor」 、この2つは「major」と「minor」と違っていますが、アルファベットが同じですね。 この関係のことを「同主調」というそうです。 とりあえず、主要な関係は全部で4つあります。 残り2つは、「スケール」の授業のときにご紹介します。 |
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