2013年1月17日木曜日

火⑤音階(スケール)について

あいうえ音楽理論セミナー 火曜日 5時間目



調の次は、いよいよ噂の「音階」です!
音階とは一体なんでしょう?皆さん聞いたことありませんか?



まずこのことを覚えておいてね!「音階」=「スケール」というよ。
音階は「音の階段」を略した言葉だと考えてね。




まずは、この絵を見てください。階段の上に行くにしたがって、音は高くなっていきます。




ここで、「音の階段」=「音階」を譜面で表してみるよ。
今は 「イメージ」をつかめればオッケーだよ。






音階というのは、調(キー)の中の音を8度(1オクターブ)内で階段状に並べたものなのです。




いちいちなんで並べなきゃいけねぇんだよ?



前の時間にテントの中の音、つまり調(キー)を勉強したよね。
でもみんなバラバラだと見にくかったよね。テントの中の音を低いほうから順番に並べて見やすくしたものが、スケールなんだ。

 
音階は、これまでの音楽の長い歴史の中で、それぞれの時代・場所でたくさんの種類が生まれています。とっても面白いですね。



スケールの基本用語

ここでは、ポップス音楽をやる時に必要なスケール「メジャースケール」を紹介しよう。





この用語だけは覚えておこう!!


Ⅰ・・・・トニック(T)
Ⅳ・・・・サブドミナント(S)
Ⅴ・・・・ドミナント(D)

(Ⅶ・・・・リーディングトーン)


さっきの階段をつかってみよう!



階段には高さが2種類あるんだ。
(ミ・ファ)と(シ・ド)の間だけ短くなっているのは気がついたかな?
この短くなっている間はつまり、「半音」ということだね。
(全音半音覚えているかな?)


ここで覚えておいてほしいのは、「メジャースケールは常に、第3音と第4音、第7音と第8音の間が半音に、それ以外は全音になっている」ということです。




種類ってそんなにたくさんあるのか??
この階段の絵は「ド」から始まった場合の絵になっているが、それ以外から始まる場合はないのか?


わわっ質問攻めだなぁ。
まず、 スケールの種類だね。スケールは大きく分けて「メジャースケール」「マイナースケール」の2種類。 今はこの2つを覚えておこう! 


前の時間に習った「メジャーキー」「マイナーキー」と何か関係があるのかしら?




そうだよ!
メジャーキー、マイナーキーの音を階段状に並べたものがスケールなんだよ。


それから、スケールが始まるのは「ド」以外の音から始まる場合もあるよ。
でも、「メジャースケール」と分類されるものは、階段の形、つまり第3音と第4音、第7音と第8音の間が半音に、それ以外は全音という法則は全部一緒なんだ。


この法則になっていれば、
どの音から始まってもメジャースケールになってしまうのです。
だから、さっきの階段の絵の「ドレミ」の文字をかえればいいだけ!簡単でしょ?


じゃあ、ためしに、メジャースケールの階段の上に、ドレミファソラシドを「ラ」から並べてみよう。




あれ?
これだと「シ→ド」が全音になってないし、「ド→レ」も半音になってないわね。
それから、「ミ→ファ」 「ソ→ラ」は全音になってしまっているわね。



その通りだね。
じゃあ、階段に合うように音を少し変えてみよう。





これで、正しい階段になったね。



これって・・・#が3つということは、
Aメジャーキーの音と一緒だな。



そうなんだ。
だから、この「ラ」の階段はAメジャーキーの音を階段状に並べた「Aメジャースケール」というんだよ。

 
ところで、トニック/サブドミナント/ドミナントという名前が出てきたけど、これはどういう意味なの?



今から、音の役割について説明するよ。  


スケール内の音の役割

スケール上の音には、それぞれ役割があるんだ。
これは曲を作るときにとても大事なことだから、
別の日に詳しく説明しますが、
ここでは簡単に触れておきます。



音の役割ってどういう意味だ?




音の役割とは、「それぞれの音が意味を持っている」、という意味なんだ。
例えば、「I」の音は、そのキー(スケール)の中心となる音で、その音が鳴ると落ち着いた感じがするんだ。
つまりそのキーの親分というわけだね。

特に、「I・IV・V」は重要な役割を持っているんだ。名称は、、、

Ⅰ・・・・トニック(T)
Ⅳ・・・・サブドミナント(S)
Ⅴ・・・・ドミナント(D)


というんだ。

トニックとは、「主音」ともいい、さっきも言ったように、そのキーの親分(主)となる音だね。
ドミナントは「属音」といい、1番弟子みたいなものなんだ。
サブドミナントは「下属音」といい、2番弟子のようなものだよ。


1番弟子?




うん。この3つの音が、曲の骨組みになるんだ。
それから、「VII」はリーディングトーン(導音)といって、これも大事な音なんだ。



この辺は、コードとかコード進行について勉強するともっとよく分かるようになりますので、
今は名前だけ覚えておきましょう。


マイナースケールとは

では今度はマイナーキーの音を階段にしたスケール、マイナースケールついて説明しましょう。
調のところで説明しましたが、メジャーとマイナーキーは調号の数が同じ、親戚のような関係にあるキーがあるというのは覚えていますか?



たしか、CメジャーとAマイナー(#♭なし)、GメジャーとEマイナー(ともに#1つ)のような関係だったわね。



その通り。じゃあここでは、Cメジャーの親戚の「Aマイナー」で説明するよ。






あ、さっきはⅢ・Ⅳ間が半音だったのに、今度は全音になってる。
その代わりにⅡ・Ⅲが半音になっているわね。




あと、VII・I間は全音になってるな。
でもV・VI間が半音になってる。



そのとおり。
マイナースケールでは、「第2音と第3音、第5音と第6音の間が半音、残りが全音」という階段のスケールなんだ。

ところで突然だけど、ここで音程の復習をするよ。

ラ~ド(I~III)の音程はなんだっけ?




えっと、、、ちょっと待ってね・・・
短3度ね。



正解!分からなかった人は、音程をもう一度よく復習しておいてね。

じゃあ、ちょっと戻って、メジャースケールのドーミ(I~III)の音程は?




ちょ、ちょっと待ってろ!
う~~~~~~む、ふ====む、、、ぐはーーーー。
わ、わかった! 長3度だべよ!



はっ!眠ってしまった。
今なんて言ったの?




長3度だよ!ちょ・う・さ・ん・ど!!!!


し、しつれい。
正解だよ。ごほん。


つまり、メジャースケール・マイナースケールの大きな違いはこのⅢの音にあるんだ。

 
ほぉ~神秘だ。
人間が生まれるときの「男になるか女になるか」が決まるときみたいだな。



IIIが長3度だと、明るい感じ、短3度だと、暗い感じ。
これはコードを勉強するときにも大事なことだから、
覚えておいてね。



さて、このマイナースケールには仲間がいるんです。



もう一度、メジャースケールとマイナースケールの階段を見比べてみよう。
特に「VII→I」を見てもらえるかな。



VII→I」ね・・・。え~と
メジャースケールは半音
マイナースケールは全音になっているわね。

そうなんだ。
前にも少し出てきたけど、実はこの「VII」の音というのは、「リーディングトーン(導音)」という役割があって、「VII→I」は半音になっていたほうが、スムーズに聞こえるんだ。



そらあ、階段の段差は少ないほうがラクだろうな。



でも、このマイナースケールは「VII→I」が「全音」になっているので、
いまいちスムーズじゃないんだよ。
そこで、この「VII→I」を「半音」に変化させてスケールがあるんだ。



これでマイナースケールにリーディングトーンを作ることができたよ。
このVIIを変化させてマイナースケールを「ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)」というんだよ。
ちなみに変化させる前のマイナースケールを「ナチュラルマイナースケール(自然的短音階)」というんだ。


でも、これだと「VI→VII」が1音半に広くなってバランスが悪いわね。
スケールは「全音」と「半音」の組み合わせだって言ってませんでした?



そうなんだ!スケールというのは基本的には「全音」と「半音」の組み合わせだから、あまり美しいスケールとはいえないね。
そこで、すべてを「半音と全音」に するために、もう少しいじってみよう!



ファに#をつけてみたよ。これですべて「半音と全音」になったでしょ?
このマイナースケールを「メロディックマイナースケール(旋律的短音階)」というんだ。


ありがとう。
このように、マイナースケールには3種類あるのです。
覚えておいてくださいね。
じゃあ最後にスケールをまとめておきましょう。


スケール名
音の間隔
メジャースケール
(長音階)
全―全―半―全―全―全―半
マイナースケール
(短音階)
ナチュラルマイナースケール
(自然的短音階)
全―半―全―全―半―全―全
ハーモニックマイナースケール
(和声的短音階)
全―半―全―全―半―全音半―半
メロディックマイナースケール
(旋律的短音階)
全―半―全―全―全―全―半


天使の一言

お待たせしました。お約束の
[4時間目の 「調の関係」の続き]をご説明します。

同主調・平行調以外の残り二つはズバリ!「下属調」と「属調」といいます。

5時間目のこの授業で「サブドミナント」「ドミナント」という単語が出てきましたね。覚えていますか?

サブドミナント(Ⅳ)の音から始まるスケールを持つ調を「下属調」といいます。
そしてドミナント(Ⅴ)の音から始まるスケールを持つ調を「属調」といいます。

つまり調の関係を同主調・平行調・下属調・属調の4つまとめて、親戚のように仲のよい「近親調」といいます。
これらのことを頭の片隅においていてくれるとうれしいですね。

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